2005年12月10日(土)17:49

バローゾ欧州委員長はEU中期予算問題でブレア首相に対する圧力を強める

ブリュッセル/ロンドン/ハンブルク(ドイツ通信社(dpa))

ブリュッセルのEU首脳会議を翌週に控え、欧州委員会のジョゼ・マニュエル・バローゾ委員長は加盟国に対し、EU中期予算問題で公正な解決を図るよう強く要請した。そのためには「すべての国が最後の努力を尽くす」必要があると委員長は『ビルト日曜版』で語った。

これはとりわけ、「新たな提案を行わねばならない」議長国イギリスに当てはまる、とバローゾ委員長は続けた。フランスのカトリーヌ・コロンナEU担当相とスウェーデンのイェーラン・パーション首相もイギリス政府に対し、首脳会議の決裂を回避するために原案を修正するよう求めた。

「合意は是が非でも必要だ。全ての加盟国に不利となる合意はないのだ。だが合意なら何でも良いというわけではない。私たちには野心的で公正な解決が必要なのだ」とバローゾ委員長は述べた。さらに委員長は「議長国イギリスの当初の提案はミニEUの予算案であり、私たちが必要とする実行力の強いEUのためのものではない」と批判し、「私はもっと良い提案を望む。ちなみに欧州議会も同様である」と求めた。

私はドイツのアンゲラ・メルケル首相が危機克服に大きな貢献をしてくれることを期待している、とバローゾ委員長は述べた。「これまで欧州はいつもドイツが仲介役を担ったときに前進してきた」。「私は、メルケル首相が私たちの共同の努力に積極的に関わる決心をしていることを知っている」、と委員長は語った。

フランスはイギリス政府の明確な譲歩を2007年から2013年のEU中期予算問題解決の前提条件としている。イギリスがEU拡大コストを公正に負担することが最低条件である。イギリス政府はイギリスの拠出金割引制度の改正なしにこの義務から解放されることはない、とコロンナEU担当相は『フィガロ』紙Le Figaro(土曜版)に語った。スウェーデンのパーション首相も同様にイギリスの拠出金割引額の引き下げを求めた。「私はトニー・ブレア首相がEU拠出金の割引に固執する気持は理解できる。しかしお気の毒だが割引額が高すぎるのだ」とパーション首相はニュース雑誌『フォーカス』Focusに語った。

イギリス政府が今週月曜日に提案した予算案は、2013年までのEU予算総額をこれまで見積られていた8710億ユーロから約8470億ユーロに縮小する内容である。縮小分はとりわけ新規加盟国の負担増で埋め合わされ、新規加盟国はEU補助金の10パーセント削減を迫られることになる。イギリス政府はその引き換えにEU拠出金割引額を若干減らす意向を示していた。

一方、バイエルンのエトムント・シュトイバー州首相(キリスト教社会同盟)は、ドイツのEU拠出金の上限設定を要求した。歩み寄りの姿勢は必要であるが、「ドイツのEUに対する拠出額には明確な上限」が必要である。「EUはドイツに対し益々多くの拠出金を求めておきながら、他方で高い財政赤字を理由に制裁金をかけると脅すのは矛盾にほかならない」とキリスト教社会同盟の党首を務めるシュトイバー州首相は主張した。

原題:Barroso verstaerkt im EU-Finanzstreit Druck auf Blair




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